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2026.02.22

車いすっこ、首都圏の海で遊ぶ!!ユニバーサルビーチ体験記②


前回は「バリアフリーなビーチってどんなところ?」をテーマに書きました。
 

今回は、我が家が実際に行ってみた首都圏の2か所のビーチの様子をお届けします。  

 

家族構成:父、母、電動車いすユーザーの長女、きょうだい児の次女

 
 

case1.  ユニバーサルビーチの先駆け 「大洗サンビーチ海水浴場」

 

茨城県大洗町の「大洗サンビーチ海水浴場」は、太平洋を望む開放感のあるビーチです。

 
 

近くに大型フェリー乗り場があり汽笛が聞こえ、とても穏やかな空気が流れています。広い砂浜にはのんびりと海を眺める人、波で遊ぶ人、バナナボートで遊ぶ人など、思い思いの海遊びを楽しむ様子
がみられます。 

 

この海水浴場でユニバーサルビーチを運営しているのが、大洗サーフ・ライフ・セービング・クラブの皆さん。 
 

この取り組みを始めた大洗サーフ・ライフ・セービングクラブ代表の海賊姿のおじさん(通称ジーコ船長。れっきとしたライフセーバーさん)がリーダーとなって、1997年に日本初の「ビーチバリアフリー」としてスタート。
 

現在は「誰もが一緒に楽しめるビーチ」を提唱するユニバーサルビーチとして、車いすユーザーや高齢者の方々も楽しめる環境づくりに力を入れています。
 
 

~ユニバーサルビーチの利用方法&設備~

 

まずは利用にあたって気になった、①利用予約の可否 ②駐車場の有無 ③その他利用時に必要なもの(手帳など) を問い合わせました。すると、

 
 

①大洗サンビーチ海水浴場開設期間はいつでも利用可能です (例年7月20日頃~8月20日頃)

 

②駐車場入口で福祉車両であることを伝えるとパトロール本部近くの福祉車両用駐車場まで案内します

 

③利用前にパトロール本部で会員登録手続きをして(無料・手帳があると安心)、あとは車いすを選んで自由に遊んでください。専用の更衣室も利用できます

 

とのこと。拍子抜けするほど簡単に利用できることにまずは驚きます。

 
応対の様子からも、障がい児の受け入れには慣れていることがわかります。さすがに30年以上、ビー チのバリアフリーに取り組んでいるだけある!と安心して出発することができました。

 
 

こちらで借りられる水陸両用車いすは、バルーンタイヤと呼ばれる大きなタイヤが装着された特別仕様の車いす。簡易車いす型の”ランディーズ”、街中では見かけない格好いい三輪型の”ヒッポ”、足が伸ばせたりリクライニングができる型など、全部で10台ほどあったと思います。 

 

(わたしたちが借りた”ヒッポ” 駐車場まで借りられます)

 

パトロール本部前にはシャワーとトイレ、簡易チェアを完備したプレハブ更衣室が2棟あります。さらに、ビーチにアクセスできるデッキスロープが設置されていて安心です。
 

後で伺ったところ、このデッキスロープとプレハブ更衣室は海水浴場開設期間中のみ設置しており、期間外は撤去しているそうです。 

 
 

~準備ができたところで、いざ出発!~

 

デッキスロープで海賊姿のジーコ船長に見送ってもらって、いよいよ出発です!
 

デッキを降りてからすぐビーチサイドに行けるのかな~と呑気に思っていましたが、実際は長い長い、そしてさらさらとして深い砂浜が続いていて、3分ほど歩いたような・・・。 
 

最初に利用した時に何も考えずにビーチサンダルで行ってしまった私たちは、足は取られるわ砂が熱いわで歩くのが大変でしたが、水陸両用の特別仕様の車いすは砂の上でもスムーズに移動することができました。
 

ここで学んだのは、親やきょうだい児はウォーターシューズが必須だということです!

 
 

波打ち際に着いたらパラソルを借りて、小休止の後にいよいよ海に入ります。
 

何も知らない私たちは、水陸両用車いすのまま海に突入してみました。勢いよく行ったのはよかったものの、地面からタイヤが離れると車いす自体が船のように浮かびます!ちょっと怖いかも! 
 

外海のためか波が次々とくるので車いすの揺れも激しく、介助する側の操縦もなかなか難しい!海水が勢いよく顔にかかった長女は泣いて怒っています。
 

さすがにこれでは海が嫌いになってしまうかもしれないと思ったので、タイヤが地面に着く波打ち際まで退散して、風と波の音を聞きながら貝殻集めを楽しむことに。
 

のんびりゆったりとした時間が流れます。 

 
 

一方で次女は念願の海に大喜びで、父親と浮き輪を使って遊びたおしていました。

 
 

長女 「塩水を飲んでしまって嫌だったけど、また行きたい!これなら大丈夫かも。今度は友達を誘おう!」

 

次女 「次に行けるのはいつ?明日?明後日?」

 

姉妹とも楽しかったそうで、翌年には長女の友達を誘って再訪。みんなで行けば怖くない!という気持ちで遊んだことは、とてもよい夏の経験になりました。

 
 

~よかった&もう一声!なところ~ ※個人的見解です

 

大洗サンビーチ海水浴場ではたくさんのライフセーバーさんが歩いてビーチを見守りしています。

 

車いす利用をしていた私たちを見つけると笑顔で「楽しんでくださいね~!」と声をかけてくださり、安心して遊ぶことができました。

 

聞いたところによると、ライフセーバーさんは茨城大学のライフセービング部の学生さんはじめ、大洗が好きで夏の間だけ県内や県外から通っているベテランの方もいらっしゃるそうです。

 

ジーコ船長はじめ、ウェルカムな空気感がとても心地よいなと感じました。

 
 

また、広いシャワー&更衣室がパトロール本部の外に設置されているのも特徴で、安全安心で利用しやすいのがよいと感じます。

 

一方でひとつ要望があるとすると・・・この更衣室に、ぜひとも簡易ベットを設置してほしいということ。

 

我が家の長女の場合は立位も座位も一人ではとれないため、着替えは横にならないとできません。わたしたちが行った2023・2024年の時点では簡易ベットなどはなかったため、シャワー後の濡れた床の上にレジャーシートを敷いて着替えさせなくてはいけませんでした。
 

サマーベッドでも簡易ベンチでもなんでもいいのですが、横になれる場所があればさらに嬉しいなと感じました。

(専用更衣室内のイメージ)
 

ちなみに、大洗サンビーチ海水浴場は規模の割に海の家が少ない印象。着替えや貴重品の管理にはご注意くださいね。

 
 

case2. 東京から至近で家族連れにも優しい 「逗子海水浴場」

 

翌年訪れたのは、神奈川県逗子市の逗子海水浴場。東京から約1時間、日帰りもできる距離です。相模湾に面する穏やかなビーチは葉山マリーナにも近く、沖にはヨットもみられます。


 
 

公式ホームページを見ると、どうやらビーチにはバリアフリーマット(ビーチマット)が設置されているよう。パトロール本部で水陸両用の車いすが借りられそうだけれど専用駐車場はなさそうだという情報を頼りに、ぶっつけ本番で行ってみました。

 

行ってみるとなるほど。ビーチは国道沿い。背後には住宅街が広がっており、大型駐車場は確保できない場所だということがよくわかります。

 

とりあえず車いすを借りたい旨をパトロール本部に伝えて駐車場の場所を聞いてみたところ、近くの専用駐車場を教えていただき、そこまで車いすを持ってきてくださるとのこと。大変助かりました。
  

ささっと車の中で着替えを済ませて出発です。

 
 

~トンネルを抜けると、目の前に広がる海!~
 

海水浴場の脇を通る国道には横断歩道がなく、歩行者用アンダーパスを抜けるとすぐにビーチに到着。目の前に海が広がります。
 

大洗サンビーチ海水浴場とは違って海までの距離がとにかく近いので、気分が高まります。

 
 

こちらでは簡易車いす型の”ランディーズ”が2台借りられます。アンダーパスを抜けてすぐにバリアフリーマット(ビーチマット)が敷かれており、水陸両用の車いすはもちろんのこと、ビーチの途中まで手持ちの車いすやベビーカーで行くことも可能です。

 
このマット付近にレジャーシートを敷けば、使い慣れた車いすに乗ったまま海の雰囲気を楽しめるのが逗子海水浴場の利点だと感じました。

(左:水陸両用車いす”ランディーズ”)
(右:ビーチマットは大型のキャンプワゴンも楽々) 

 

ビーチ沿いに立ち並ぶ海の家では休憩や食事、着替えができ、夏の海の雰囲気を感じながらのんびり過ごすことができます。
 

また、パトロール本部付近には授乳室が設置されており、家族連れに優しいのが特徴。遊泳場所の一部エリアには「逗子海岸ウォーターパーク」という海に浮かぶ海上アスレチックもあるので、きょうだい児も思う存分楽しめるのが好ポイントです!

 
 

逗子海岸は入り江のような形状のせいか波が比較的穏やかなのが特徴です。海風も心地よく、水温は暑すぎず冷たすぎない気持ちよさで、穏やかな時間が流れています。
 

長女は浮き輪でぷかぷか浮かぶのが気に入った様子。長女曰く「空が広くて気持ちがいいね~。波も小さくて安心だわ~」と笑顔で満喫していました。

 
 

安心して過ごすことができる我が家のお気に入りの海水浴場になり、2年連続で楽しみました。

 
 

~よかった&もう一声!なところ~ ※個人的見解です

 

こちらの海水浴場も大洗サンビーチ海水浴場同様、車いすユーザーにもウェルカムな雰囲気がとてもありがたかったです。
 

そしてまた、飲酒がNG(販売も持ち込みも×)、乳幼児連れのご家族も安心して過ごせる設備が整っているなど、ファミリーで心地よく過ごせるのがとてもよいなと感じました。

 
 

一つお願いしたいのは、障がい者が利用しやすいシャワーや更衣室を開設してほしいということ。

 
 

前述した通り海岸には海の家が並んでいますが、更衣室の情報までは調べることができず、ぶっつけ本番で行った昨年はコインシャワーのような半個室のシャワールームで着替えざるをえませんでした。

 
 

去年は広いシャワー室がないかパトロール本部に相談したところ、公衆浴場のような広いシャワールームのある海の家を探してくださいました。
 

海の家の方は荷物を持つのを手伝ってくださったり、困りごとを聞いてくださったりととても親切で安心して利用することができました。
 

しかしながら横になることは困難で、3つほどあった幼児用スツールを借り、そこに寝かせて着替えさせなくてはいけませんでした。

 
 

やはり専用更衣室があると安心感は格段にアップします。

 

大洗サンビーチ海水浴場のように広いスペースの確保は難しいかもしれませんが、できればシャワーと簡易ベット(あるいはベンチ等)が設置された更衣室が一か所でもあるとさらに嬉しいなと感じました。

 
 

この要望は既に逗子海水浴場のスタッフの方にお話し済み。今後に向けて海の家のシャワー室の情報共有など改善していけるように考えます!とのこと。

 

ちなみにこの時にお話してくださった方の本職は特別支援学校の先生だそうで、「支援学校の生徒も着替えは横になれるほうがいいし、更衣室については今後考えなくてはいけないですね。」というお話をいただきました。

 

その言葉を信じて、今後、もっともっと居心地の良い海水浴場になっていることを期待してまた行きたいなと思います。

 
 

☆ 最後に ☆

 

はじめて海に行ったのが、2023年。

 

結論から言えば、チャレンジしてよかった!

 

新規開拓をするほどまだ海遊びには慣れていないため、大洗と逗子の2か所しか行ったことがありませんが、今後は別の海水浴場にも行ってみたいなと思っています。

 
 

余談ですが、わたしたちが海で遊ぶのは午前中の2時間程度。海水浴場開設時間の朝9時頃を狙って行っています。

 

午前中だと太陽は高くないですし、まだまだ海水浴客もまばらなので過ごしやすくておすすめ。暑くなってくる昼頃に休憩がてら退散すれば、その後もどこか近くへ寄り道することもできます。

 

泊まりで行く大洗では、「アクアワールド茨城県大洗水族館」や「那珂湊おさかな市場」などに立ち寄ります。
 

日帰りで行く逗子では海遊びのあとに鎌倉方面に向かい、車いすユーザーに優しくて美味しい海鮮丼屋さんに立ち寄ったりしています。
 

去年は次女の自由研究の取材で鎌倉大仏にも寄り道しました。

 
 

記事でご紹介した水陸両用の車いす”ヒッポ”はウィンターシーズンのスキー場でも大活躍。
 

スキー場のほうが着替えのハードルが低いので、冬のレジャーに興味がある方はチャレンジしてみる
のもよいかもしれません。
 

私たちも昨年、”ヒッポ”を貸し出している「富士見高原スキー場」へ行ってきました。今シーズンも遊びに行く予定をしています。

 
 

思い立ったが吉日!やってみたいと思ったことにはとりあえず挑戦してみることを、これからも続けていきたいと思います。

 
 

2回にわたってお届けしました、車いすユーザーも楽しめる「海遊び体験記」。みなさんの今後のお出かけの参考になれば嬉しいです。
 
 

ユニバーサルビーチ体験記①はこちらからご覧いただけます

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