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2025.11.21

「安心して過ごせる場所を作りたい」娘が導いてくれた養護教諭からの道のり


重度障がい児預かりデイサービスBuranoでは、より多くのお子さんの受け入れを目指して、看護師、理学療法士、言語聴覚士、保育士、介護福祉士が連携し、お子さまをお預かりしています。
今回は2025年4月に入職したスタッフにインタビューを行いました。
 

前職は養護教諭(保健室の先生)です。学校でたくさんの子どもたちと接してきた山田さんが、なぜBuranoへの転職を決意したのか。ご自身のお子さんとの経験、孤立した辛さ、そして「家族みんなが安心できる場所を作りたい」という想い。保護者の皆様に寄り添うスタッフの声をぜひご一読ください。

 
 

 

Buranoを選んだきっかけはなんですか?–
 
 

私は大学で教育学を学び、養護教諭の免許を取得してからは小学校と高校の教育現場で働いてきました。Buranoを選んだ一番のきっかけは、自分の娘です。私には2人の子どもがおり、上の子が知的障がいと自閉スペクトラム症で、特別支援学校に通っています。
 

養護教諭として働いていた時も、障がいのあるお子さんと関わった経験はありましたが、いざ自分の娘となると、すごく可愛くて大切な我が子なのに、うまく向き合えなかったり、育児が辛くて可愛いと思えなかったりする時期がありました。
 

子育て支援センターやみんなが当たり前に行っている場所にも「娘が癇癪を起こしてしまうかもしれない…」と思うと行きづらくなり、障がいのないお子さんを持つお母さんたちと距離を感じてしまうようになりました。「誰にも私の気持ちを分かってもらえない」という思いから、社会から孤立するような辛い時期を経験しました。
 

娘と一緒に療育施設に通うようになって、先生方が娘に関わりながら、私の辛かったことも受け止めてくださり、「大丈夫だよ」と背中を押してくれました。今でもその時のことを思い出すと「そうだ、大丈夫だ」と心を強く持つことができます。
 

この経験から「世の中にはきっと私のように困っているお母さんやお父さん、子どもたちがいる。家族みんなが安心して過ごせる場所を作りたい」という漠然とした夢ができたのです。
 

養護教諭として働いている時も充実していて、たくさんの生徒たちと関われることは嬉しかったのですが、娘が生まれてからは不安や悩みを抱える子どもたちと「もっと向き合いたい」「力になりたい」という気持ちが強くなっていきました。でも、私が関われるのは保健室にいるわずかな時間だけです。学校には制約があり、家庭への介入には限界があります。
 

そうして、だんだんと転職を考え始めた時にBuranoの求人情報を見つけ、その年のキッズフェスにボランティアとして参加しました。スタッフの皆さんが一致団結している様子や温かい雰囲気に触れ、「ここで働きたい」と感じたことがBuranoに応募する決め手となりました。


 

–Buranoに入職されてみていかがでしたか?–
 
 

2025年4月に入職して6ヶ月ほど経ちましたが、毎日が学びの連続です。
 

私はとても悩むタイプなので、毎日「あの対応はどうだっただろう」「これで良かっただろうか」と自問自答しています。
 

例えば子どもたちへの関わり方について、一人ひとり気持ちも特性も異なるため、その子に合わせてどのように関わればいいのか、体の動かし方についてもどこまで行ってよいのかなど、毎日日記をつけて記録をしています。
 

子どもの体の動かし方は特に難しく、体重や体の大きさ、可動域も一人ひとり異なります。
 

理学療法士や介護福祉士、看護師など専門的な知識を持ったスタッフが常駐しており、困った時には「こうするといいですよ」とフォローしてくれるので、安心して取り組むことができます。
 

 

-子どもたちとはどのようなコミュニケーションを取られていますか?-
  

言葉でのやり取りが難しい場合もありますが、目の動きや体の動き、声を出すことなど、みんながそ れぞれに表現する方法を持っています。「前回とは違う反応だな」「ここは変わらないな」という気付きがあり、それを積み重ねて子どもたちの気持ちを理解しようと心がけています。

 

また、スキンシップも大切なコミュニケーションだと思って積極的に活用しています。「おはよう」と言いながら手を握ったり、頭を撫でたり、ほっぺたに触れたりと、体の様々な部分に優しく触れるようにしています。
 

顔を触られることが苦手なお子さんはフイっと避けるような反応を示しますし、逆に心地よく感じるお子さんは穏やかな表情になるんです。
 
 

-この仕事を通じてご自身が変わったと思うことはありますか?-     
  

笑うことがすごく増えました。毎日が楽しくて、ほっぺたが痛くなるぐらい笑って、なんて幸せなんだろうって。夫にも「本当に仕事してるの?」と言われるほどです(笑) 

 

なんでこんなに楽しいのかな?と振り返ると、一人ひとりの反応や表情を見るたびに、新しい発見があって嬉しいんだなぁと。 
 

Buranoではその日に居る子どもたちに合わせて活動を考え、天気によっても内容を柔軟に変えています。”こうじゃなきゃいけない”という縛りがないからこそ、余裕をもって取り組めるので、子どもたちとしっかり向き合えるのだと思います。 
 

私が初めて自分で日課活動を考えた時、「うまくできないかも、失敗してしまうかも」と不安でいっぱいでした。すると、他のスタッフが「失敗なんてないよ」と言ってくれたんです。 
 

誰かが「こういうことをやってみたい」と言えば、みんなが前向きに応援してくれて、お互いにフォローしあえる、そんな温かい環境です。 

 

-最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。- 
 
本当にBuranoは温かい場所で、子どもたちもご家族もスタッフも、どんなことでも受け入れてくれる場所だということをお伝えしたいです。 

 

Buranoのスタッフは、その場にいるお子さんだけでなく、ご家族のことも大切に考えており、お子さんを取り巻くご家族の構成や、お住まいの地域、普段の生活の様子などにも耳を傾けています。 
 

それはお預かりしているお子さんだけでなく、そのご家族のことも大切にしたい、一緒にお子さんの成長を見守っていきたいという気持ちの現れだと考えています。 
 

私自身が、自分の娘のことで孤立して辛かった経験があるからこそ、同じように困っているご家族の力になりたいです。どうか安心して、一歩を踏み出してください。みなさんにお会いできることを心から楽しみにしております。 
 


 

インタビュー中、山田さんは何度も「温かい」という言葉を口にしていました。Buranoの雰囲気やスタッフの関係性、家族を包み込む空気の温かさが山田さんの表情から伝わってきました。

 

特に印象的だったのは、ご自身の育児を語る場面です。「大切な我が子なのに、可愛いと思えない時期があり、孤立して辛かった」と、率直に当時の気持ちを話してくださいました。

 

きっと同じような経験をされている保護者の方も多いのではないでしょうか。「親なんだから、自分がしっかりしなくては」と、つい肩肘を張ってしまうこともあるかもしれません。疲れた時や悩んでしまったときには、誰かに頼ってもいいのだと思わせてくれるお話でした。

 

様々な人生経験をもつスタッフがいるからこそ、悩みを抱える家族に心から寄り添える。スタッフ皆さんの存在が、Buranoを支えているのだと実感しました。

 


 

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