kikka

2025.02.08

医療的ケア児を育てる母が見つけた「クラウドソーシング」という新しい働き方

一般社団法人Burano(ブラーノ)には、医療的ケアの必要なお子さんが安心して通える多機能型重症児デイサービスのtitta(チッタ)と母親が働く場のkikka(キッカ)があります。kikkaでは、育児や家事と両立させながら、時間と場所の制約を超えて、希望する形で働くことができる「クラウドソーシング」という新たな働き方を提案しています。
 

今回はkikkaで働いている小林さんにお仕事について伺いました。  
 

医療的ケア児を育てながら再び働く道を模索したチャレンジストーリー
 

―――まずはプロフィールをお願いします。

 
小林と言います。40代のオカンです。小学生の子どもが医療的ケア児で特別支援学校に通っています。


 ―――kikkaを知ったきっかけは何でしょう。

 

 

インターネットで偶然見つけました。元々、フルタイムの正社員として働いていました。そのため、妊娠中は産休や育休が終わったら、仕事に復帰しようと思っていました。 

しかし、生まれた子どもが生後10日で医療的ケア児となり、まったく想像できない子育てが始まりました。再び働きたいという気持ちはありましたが、保健所の人から「仕事を辞めるのは当たり前でしょ。他のお母さん方もそうですよ」と言われました。実際、預けられる保育園がないことや入退院を繰り返す日々に、とても仕事ができる状況ではないと感じ、退職しました。 

 

その後、世の中がコロナ禍になり、在宅での仕事が世間に広まったことをきっかけに「こういう方法なら私でも働けるのでは?」と思い、インターネットで検索をして見つけたのがkikkaでした。 
 

―――kikkaで働くことになったきっかけを教えてください。 
 

kikkaさんにメールをして、電話をしてと猛アピールをしました(笑)今になって考えると、少し恥ずかしいです。

 

 

kikkaのメンバーとの支え合う環境が、新しいキャリアと自信を築くきっかけに  


 
―――kikkaではどういったお仕事をされているのでしょうか。

  

全国重症児者デイサービス・ネットワーク事務局に届くメールの対応をしています。他にもテープ起こしの作業をすることもあります。自宅のパソコンを使って仕事をしているため、 Buranoがある茨城県には一度も通勤したことがありません。
   

―――完全リモートワークですね。仕事の内容で困ったことがあるときは周りのサポートはあるのでしょうか。 
  

困ったときはチャットツールで質問をします。すると、同じ仕事をしているメンバーが教えてくれたり、一緒に解決策を考えてくれます。 
 

先日も子どもが入院するため、メンバーに私の業務をお願いしました。そのとき、「退院してもしばらくは忙しいと思うから、遠慮なく声をかけてほしい」と温かい言葉をいただきました。おかげで息子の入院生活に十分に付き添うことができました。 
 

他にも、定期的にWeb会議システムでのミーティングもあります。業務内容だけでなく雑談もするため、相談もしやすく安心して業務に取り組んでいます。 
 

子どもの学校や病院、親族も近くに住んでいるため、生活は車で1時間以内ですべて完結していました。kikkaで働くようになってからは、いろいろな地域の方とお話ができるため新しい発見もあり、刺激があります。また、勉強ができるので「新しいことを知りたい」と欲張りになりました(笑) 
 

kikkaに入った頃は、「ITって何?それっておいしいの?」というレベルで、Web会議を始めると「小林さんがホラー映像になっています」と言われる状態でした。パソコンの知識もなく、何をどうしたらよいのか見当もつかない。IT関連のことに全くの無知でした。 
 

そんなとき、kikkaの皆さんが、私の新しいことにチャレンジしたいという気持ちを大事にしてくださり、一から丁寧にWeb会議システムの使用方法を教えてくれました。 
 

他にもパソコンの操作方法やGoogleの使い方も教えていただきました。文字入力やチャットでの連絡ができるようになり、仕事に取りかかることができました。 
 

丁寧に教え導いていただいて働くことが可能となり、さらにkikkaの皆さんとコミュニケーションが増えていくことにつれて自分に自信が持てるようになりました。 
 

また、外部の方が講師となって、文章の書き方を勉強する会もあります。こちらにも参加していますが、まだまだ学び足りないと欲張りになっています。  
 

―――kikkaがあることで、生活が変わりましたか。 
 

忙しくなりました。それは悪い意味ではなく、自分に充てる時間が増えたからです。「医療的ケア児の親だから…」と何事にも消極的でしたが、kikkaで得た自信を胸にkikka以外でのお仕事にも挑戦しています。また、今までは子どもに関連のあることを中心に学んでいましたが、自分の興味のあることを学びたいと思い、自治体が開く講座にも参加するようになりました。
(教えてもらったパソコンの知識を活かし、似顔絵も作成できるようになりました)

 

 

新しい学びに挑戦し続ける先に見据える未来と、伝えたいkikkaでの働き方の魅力 

 

―――今後チャレンジしたいことや、やっていきたいことはありますか。 
 

何かを伝えられる人になりたいなと思っています。kikkaの勉強会でお世話になっている人のなかに、教えるのがすごく上手で毎回楽しそうに生き生きとお話される方がいます。私もそんなふうに人と関わって、みんなで一緒に楽しく学習し合いたいと思っています。今はたくさん学んで吸収して自分のものにすることで精いっぱいなので、まだまだ程遠い目標ではありますが、チャレンジする気持ちは持ち続けたいです。 
 

―――仕事だけでなく、学ぶ環境があることがいいですね。最後にこれからkikkaでお仕事をしてみたいという人に一言お願いします。 
 

kikkaでは仕事を強制するわけでもなく、業務内容を自由に選択できる環境のため、希望にそった働き方ができると思います。また、子どもの入院など急に生活に変化があっても誰かが業務を交代するという体制ができているので安心して仕事に取り組めます。 
 

―――できることをできる範囲で、そして新しく学び成長していこうとする姿が伝わってきた時間でした。今日はありがとうございました。 

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